2002年 3月30日(土曜日)

とうとう2台目の「陸王」が僕の所へやって来た・・・。
前オーナーが20年前に譲り受けてから、レストアを試みたのだけれど
11年前に断念、いや断念というか行き詰まってしまい、
それからこの状態で倉庫に保存されていたものだ。

返納証明書を見ると、昭和44年で車検が終わり46年に返納されていた。
ということは、31年間このエンジンは静かに眠り続けていた事になる・・・。

前オーナーとの話し合いで、この可愛そうな「陸王」は今後自分の所に置いていても
たぶん復活させる事は出来ないだろう、それならば後を継いでレストアをしてくれる人の所へ
行く事がバイクにとっては1番の幸せとなるのではないだろうか・・・と言う訳で
僕が乗っているホンダCB750/K0と交換して頂き
我が家にやって来る事になったのである。

しかしこの後が大変な事は簡単に予想がつく!
いつか再び蘇る日を夢見て
時間の許す限り前オーナーの意思を継ぎ頑張ってみようと決心した。
この作業については随時報告していく予定なのでお楽しみに・・・?


・・・・・・ 1953年型 陸王RQ 750cc サイドバルブ ・・・・・・

● 陸王の歴史は大正6年に初めて大倉商事がハーレーを輸入した後
三共製薬(株)が販売権を譲り受け輸入販売を開始した。その後ハーレーの製造権を買い
国産ハーレーの製造に入る。その頃の社名は「ハーレーダヴィッドソン・モーターサイクル(株)」
そして昭和11年1936年にオートバイの名前を「陸王」に改め 会社名も「三共内燃機」となる。
しかしその翌年 再度社名変更し「陸王内燃機」となる。
昭和25年には「陸王モーターサイクル(株)」として生まれ変わり、この時期から
ベビーツインと呼ばれる750ccの製造を始める事になった。


・・・・・・ 運命 ・・・・・・

丸正自動車製造のライラック号は春になると綺麗な花を咲かせるライラックの花びらのように
可憐に散ってしまった・・・
大東精機工業のDSK号は素晴らしい工作技術を持ちながら工場火災で
経営が行き詰まってしまった・・・
そして陸王モーターサイクルは陸王を愛した従業員自らの手(ストライキ)でその
息の根を止めてしまった・・・
しかし今、考えてみると技術進歩の出来ない陸王をそのまま製造販売していても
高度成長の真っ只中にあった日本のオートバイ産業から外されてしまう事は
遅かれ速かれ避けられなかったであろう。
ただ幸いなのは、そのシーラカンスのような形態のまま姿を消した事により
現代において、これが今でも陸王を愛する人々の心を捉えて放さない理由の一つで有る事には間違いない・・・